金谷美穂
<プロフィール>
東京都出身 日本でバレエ助教師を務め、2001年よりパリ在住。夫と子ども2人の4人家族。現在は子育てをしながらビズにて執筆。バレエの稽古と田舎の家のリフォームにも奮闘中。

お風呂場のペンキ塗りとタイル貼り

 左官工のファージェットさんは変わらず掛け持ちの仕事で忙しかったので、1階の内装工事ははかどらず、古いタイルの欠片と埃だらけのむき出しの床のままです。友人が配管工事をしてくれることになっていましたが、管を通したり、トイレやキッチンの流し台を取り付けたりするのは、1階の床のタイルの張替えが全て終わってからになります。私たちのリフォームの進み具合は恐ろしくのんびり。職人に仕事を任せつつ、自分たちでも今できることから少しずつこなしていくわけですが、ときどき「本当にここで寝泊りできるようになるのだろうか?」、「リフォームは永久に終わらないのでは?」と、途方にくれてしまいます。
とにかく、自分たちでできる部分は先に進めよう、と2階のお風呂場のペンキ塗りとタイル貼りをすることにしました。お風呂場はもともと貯蔵庫だった場所で9m2ほどの広さです。天井には温かみのある木の梁があり、床は木張りなので、特にいじることなくそのまま活かします。天井のペンキ塗りは首が痛くなるので、塗る手間が省けてこれ幸い!で、床は汚れている木の表面だけ、電動やすりできれいに削りました。
お風呂場には小さな窓がありますが、さらに部屋全体が明るくみえるように白のペンキを選びました。ファージェットさんが壁をセメントできれいに平らにしてくれたところに、まず下地を塗ってから、ペンキ塗りを2回、という工程で進めて行きます。
木の床が汚れないようにビニールシートを敷き、古いシャツとジーンズに着替えて作業開始です。下地は汚れをカバーすると同時に、ペンキがつきやすいように塗るのですが、多少ムラがあっても大丈夫です。大きなローラーを持ち、主人とそれぞれ持ち場を決めて作業をしましたが、下地を塗っただけで部屋全体がぱあっと明るくなりました。次に1回目のペンキ塗り。端は小さな刷毛で塗り、あとはローラーでまんべんなく塗っていくのですが、終えたところで主人が「君が塗ったところはムラがありすぎる!」というではありませんか。それもそのはず?ベビーカーに寝ている娘が泣けば下に降りていき、息子が危ないことをしていないかどうか確認したり、と作業が中断することがしばしば。もちろん腕が悪いというのもありますが・・・。不器用な私と違って主人はまめに何でもこなしてしまうので、2回目はきっぱりと?全部彼に任せました(本人もそう望んでいたので)。ペンキ塗りは主人の頑張りのおかげで、2日間で終了。汚れも隠せたうえ、お風呂場全体が見違えるように明るくきれいになりました。
タイル貼りはバスタブ周りの壁のみにします。バスタブは180cm×70cmくらいの大きさで、奥の隅に置きます。奥の壁側(バスタブの長さ180cm分)とシャワーをつける側の2面にタイルを貼っていきます。シャワー用のカーテンは簡単に取り付けられて便利ですが、すぐに汚れてしまうので代わりに水跳ね防止用の透明なプラスチック製の扉(幅40cm)を付けることにしました。子ども達をお風呂に入れるときには扉を開けたままにしておけるので便利です。タイルは15cm×15cmほどの大きさの落ち着いた赤とクリームがかった黄色の2種類を、1枚ずつ交互に貼ってモザイク模様にします。
「タイル貼りは初めてだけれど、それほど難しくないだろう」と、これもまた主人が一人で担当することになりました。専用の接着剤(colle)を一枚ずつ、タイルの裏に丁寧にヘラで塗り、下から上に向かって貼っていきます。一見、シンプルな工程ですが、お風呂場の壁は真っ直ぐではないらしく、壁の曲がり具合を上手く計算しながら貼らないと、きれいに揃いません。主人が奮闘している最中、左官工のファージェットさんが家の様子を見に来て、上でずれが生じないような貼り方のコツを教えてくれました。そしていつものように、今後の工事についてディスカッションをして帰っていきました。たまたまファージェットさんが、庭に主人の車があるのを見つけて立ち寄ってくれたおかげで、曲がったままタイルを貼り続けずに済みました。タイル貼りは3日間で無事、終了。白い壁に黄色と赤のモザイクのタイルのおかげで部屋に華やかさと清潔感が加わり、家の中で一番最初にきれいな場所となりました。
そして嬉しいことに、ファージェットさんはもうすぐ私たちの家の1階の床の工事に取り掛かるという朗報を持ってきてくれました。どのくらいで仕上がるかまでは明言していませんでしたが。