なんでリヨンを選んだの? |
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| フランスに来た当初、「パリじゃなくてなんでリヨンを選んだの?」と、日本人のみならずフランス人にもよく聞かれることがありました。約6年前の当時は、日本でもリヨンの名はあまり知られておらず、私自身も留学先を探している時に、某社の留学に関するガイドの中で初めてリヨンを知ったくらいでした。1996年のG7の開催地として、そして極めつけは1998年のワールドカップの開催地として日本―ジャマイカ戦(残念ながら結果はいまいちでしたが...)が行われたことで、晴れて日本でもリヨンという街になじみを持ってもらえるようになりました。リヨンという街を一言でいうと、“大きすぎず、でも必要最低限のものが揃った人間味のある住みやすい街”。とんでもない田舎でもなく、かといって大都会でもなく、山にも海にもアクセス便利なリヨンは、
大阪で育った私にとって理想的な街でした。交通機関は、メトロ、バス、Tramway、TERが街全体を網羅し、相当な行動範囲をカバー。郊外に行かない限り車がなくても問題はなく、公共の交通機関と徒歩ですいぶん移動できる程よい規模の町であるところが気にいっています。残念ながらパリほど充実していませんが、一応メインのブランド品店や大規模なショッピングセンターも中心街にあり。主要観光地でもマイナーな地区でも、いたるところにある歴史的建築物は、街の景色にさりげなくマッチしていて、観光客に占領されていると言うよりは、市民の生活の一部として時代を越えて市民に慣れ親しまれているような気がします。
自然環境面では、ローヌ河とソーヌ河の川沿いの散歩道、昨年できたGerlandの自然公園etc...でもメインは、リヨン市内北にある市民になじみの深いParc
de la Tete D'Or。「都会人に身近な自然を」というコンセプトの基に建設された105ヘクタールもの広さのこの公園内には無料動物園もあり、リヨン市民の憩いの場で、市内からも郊外からも遠足で来る子供たちも良く見かけます。
日本から来る友人、家族がリヨンに来てビックリするのは、リヨンでは英語がほとんど使えないこと。もちろん主要なショップでは、外国人観光客相手の為、英語を話す人も多いのですが、それ以外は何かを英語で言っても分かってもらえないか、またはフランス語でしか返答してくれないというものでした。レストランのメニューにしても、日本語メニューに巡り合うことは、98%不可能でしょう。日本人コミニュティ−充実度においても、中華街に日本食材料が手に入る店が数件ある以外は、特に日本との接点もなく、いつかパリにあるような日本書籍を取り扱う書店や、お手ごろなテイクアウトすしなどがリヨンにできたらいいのにナーと密かに祈っています。これは、リヨンに限らず地方都市に共通することだと思います。しかし、逆に本当の意味でフランス社会に溶け込むことによって、フランスという国、フランス人という人種がより深く理解できることでしょうし、同時にフランス語の上達も余儀なく要求され、今になって振り返ってみると、結果的にはこれがプラスになったかナーと思ったりもします。
次回より、順番はまだ決めていませんがリヨンの文化、リヨン料理、特産品、名所、歴史等を項目ごとに掘り下げて詳しく書いていきますので、また楽しみにしていてくださいね。
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リヨン料理はお母さんの料理 No.1
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リヨンは、早くもロ−マ帝国時代から“ガストロノミーの世界の首都”の名を誇っていた。フルビエールの丘の古代ローマ劇場横にあるガロ・ローマ文明博物館に展示されているオブジェからも、バラエティーに富んだ海の幸、山の幸を早くから料理に取り入れていた様子が覗える。これは、リヨンの地理的利点から、早くより商業が発達していたことによる恩恵だろう。その当時からすでに食に対するこだわりがあったようだ。
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| 高品質の食素材 |
料理の重要ポイントは、なんといっても素材。リヨンがガストロノミーの町との評判を博したのも、料理人やグルメのツウが夢見る高品質の食材が近郊地方で手に入れられるからだ。ブレスの鶏、シャロレやオーベルニュ地方の肉類、ドルフィネ地方の豚肉製品(乾燥ソーセージ、サラミ等)、ドンブ地方の猟肉カモ類などなど…。さらにアルプス山脈から流れ込む新鮮な水もキーポイントとなっている。豊富な水のおかげで魚介類や魚の養殖が盛んなのだ。ナンチュアの湖のザリガニ(そうです、食べるのです!)、ドンブ地方の鯉(日本で見る池の鯉とは少々違うようだが…)、アン県のますや川鱒などがその代表だ。リヨン料理のクネル(魚のすり身)が有名なのも納得できる。野菜類では、リヨン郊外の青菜類やメロン、ローヌ流域の野菜、果物、100Km以内の半径内にきのこ、フルーツ、野菜、チーズの農家が無数にあるので、新鮮な材料が簡単に手に入るのだ。
極めつけはワイン。この地方は、ボジョレー、マコネー、コートデュローヌ、ブジェなどの産地で、中でも日本人になじみのあるボジョレー地方(フランス人は年に一回ボジョレーヌーボの時しかこのワインを飲まないといっていたが…)はリヨンより車でも1時間弱で行ける。リヨン料理は、この地方のワインを使い、より洗練した味を引き出したり、隠し味として使いながらオリジナリティ−を出しているものが多い。
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| 才能を持った料理人“お母さんの料理”
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しかし高品質の食材を備えているだけでは、“ガストロノミーの世界の首都”という名声を受けられるはずはない。ここで才能を持った料理人が登場する。リヨン料理について話す時よく“お母さんの料理”という表現が使われるがそれの由来は?
“お母さんの料理”の由来は、19世紀末に遡る。当時の庶民たちは、人を招待する時はもちろん、仕事の話をする時も食卓を囲んだ。関心はずばり、“おいしいものを食べる”こと。招待客は出される料理を吟味、評価し、家主はその評価にとてもこだわっていた。当時は料理本などは存在しておらず、“お母さん”たちは小さなノートにレシピ、ちょっとしたコツなどをメモし、それが代々母から娘へと伝わっていったのである。“お母さん”たちは、“素材の味を生かした料理を作る”ことをモットーに料理を子どもたちに伝授した。この“お母さん”の弟子たちが、ポール・ボキューズを始め、今や世界各国で名の知れたリヨン生まれのグランシェフたちなのである。
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| 今日のグランシェフ |
元祖グランシェフは、Collognes au Mont d'Orにデンとお屋敷(まず外観で圧倒される)のような本店を構えるPaul
BOCUSEはもちろんのこと、Leon de LyonのLACOMBE Jean-Paul、“お母さんの料理”の元祖La Mere
BrazierのBRAZIER Jacotte、シックな6区のかわいい花で満ち溢れる建物ORSI Pierre, リヨン郊外のLa
RotondeのGAUVREAU Philippe。
それに加えて、これらのグランシェフに育てられた第2世代の若手シェフが続々と頭角をあらわしている。ルネッサンス調の独特な建築で有名な4つ星ホテルLa
Cour内にあるLes LogesのLE BEC Nicolas(本年度某有名グルメガイドで2エトワル受賞)、リヨンのシンボル、ばら色のタワー内にあるLa
Tours RoseのCHAVENT Philippe,ソーヌ川沿いのTETEDOIE Christian, Ile Barbe(ユネスコの世界遺産に指定)内のANSANAY-ALEX
Jean-Christophe等…
食の街リヨンでレストランを開くこと、料理人になることは、聖域で実力を試すようなもの。料理人だけでなく、リヨン市民も食に対するこだわりがあり、グルメの町に誇りを持っている。逆にだからこそ多くの料理人たちがリヨンで実力を試したがるのではないだろうか。
ちなみに日本の辻調理師学校のフランス校がリヨンより50kmほど離れた郊外にあり、日本からも料理人の卵たちが勉強、修行に来ているのだ。
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リヨン料理‐農民とお母さんの料理 No.2
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ブッションリヨネ
リヨンで一度入っていただきたいのは、典型的リヨン風レストラン“ブッションリヨネ-
Bouchon Lyonnais”だ。この“ブッション”というのは、フランス語で、「ワインのコルク栓」、「交通渋滞」、「釣りのうき」、そして「藁の束」の意味がある。この「Bouchon」の語源は中世時代にまで遡る。食事も提供していた宿坊で、受け入れる客層階級を知らせる表示サインとして、金持ち用宿坊には金物か木製の標識、貧しい客用宿坊では簡単な藁の標識が使われていたことから、この「Bouchon」という単語は、
“貧しい”ということを暗示していたのだ(ちなみに、リヨン名物である絹職人“カニュー”たちも悪条件下で重労働を強いられていたが、貧しい生活の中、ブッションで食事することに喜びを感じていたという)。
さて、本題に戻り、このブッションというレストランは、Vieux Lyon界隈やプレスキルのRue Merciere辺りを中心にみられる。その他地域にももちろん存在するが、外観を見ただけではそれと分かりにくく、あらかじめアドレスを知っておく必要があるため、初めての方、あまり時間のない方にはこの2つの地域がお薦め。
このブッションの特徴は、
1)典型的な伝統的リヨン料理をサービス
2)テーブル間が狭く、一人でも多くのお客が入れるように店のスペースを最大限に有効活用している
3)日本の居酒屋のような和やかで親しみやすい庶民的な雰囲気がある
4)“POT”というワインを頼むと底上げした(すごい!)ワインビンに入ったワインが登場。この底上げは、もちろん“底上げ”本来の役割もあるが、リヨン住民が言うには、「ビンを安定させ、酔っ払った人がひっくり返しても倒れないように工夫してある」そうだ。
5)テーブルは大理石製。頑丈で長持ちするようになっている
6)カウンターがあって、そこでサラミをつまみながらワインを飲んでいる人がたくさんいる(どちらかというとレストランというよりは居酒屋!?)。
本物のブッションを見抜け!
街の至る所にあるリヨンのブッションが名物になり、また、時が経つに連れてブッションと名乗るインチキブッションが数多く登場。そこでブッションの料理がいつまでも伝統的な“お母さん”の料理であるようにと、1997年に“リヨンブッションを守る会”と“
Authentique Bouchon Lyonnais(本物認定リヨンのブッション)”というラベルが作られた。このラベルの判定基準のポイントは、メニュー、親しみやすさ、サービスの質に関する項目に始まり、テーブルセットの基準やナップ等に関する細部まできちんと定義されているのだ!
現在、“本物認定リヨンのブッション”に認定されたレストランは21件のみ。まず、レストラン側が申請し、“リヨンブッションを守る会”の会員がメニューの料理を実際に吟味し、レストランのサービス、デコレーション、雰囲気を隅々までチェックした後、判定基準を満たしているかどうかで認定するかどうかを決定。現在までに250件の“自称”ブッションが申請しているが、この項目をクリアーするには設備投資などが必要なのはもちろんのこと、リヨン料理と食文化と伝統に対するこだわりが最も重要なのだ。ラベルをゲットするまでの道のりは険しいようだ。逆に、ラベルのお墨付きブッションは、おかげで売上が20〜30%上昇していることから、顧客も“本物”にこだわるようになってきている事が覗われる。
しかし、このラベルを取得していない所でも、親しみがあり、おいしくリヨン料理を吟味できるブッションも少なくない。ラベルは一つの目安とし、自分の舌、肌にあったリヨンブッションを試して発見してみてはいかが?
*幾つかのラベル認定レストランを紹介*
Le merciere 56, rue Merciere Lyon 2e 04 78 37 67
35
La Mere Jean 5, rue des Marronniers Lyon 2e 04
78 37 81 27
La Meuniere 11, rue Neuve Lyon 1e 04 78 28 62 91
Les Trois Maries 1, rue des Trois Maries Lyon 5e
04 78 37 67 28
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今日のリヨン料理
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リヨン地方では、毎年180,400トン豚肉ソーセージ類製品、2,836トンのクネル(リヨン特産の魚のすり身料理)が製造されているそうだ。一度、リヨン料理を食べた方ならもうご存知だと思うが、とにかく日本人の私たちにとって(フランス人にとっても)、消化にとても時間のかかる料理なのだ。と言うのも、この典型的なリヨン料理は、もともとカニューと言う貧しい絹職人が一日の厳しい労働に耐える為に取っていた、手ごろな値段でしっかりと腹持ちのよい食事。バター、ワイン、そしてクリームをたっぷり使ったリヨン料理は、カロリー過多が気になるところ。この点は、時代の移り変わりを反映して、今日では伝統的なブッションでも“Light”がキーポイントになってきているらしい。塩分についても同様で、豚肉ソーセージ製品においても50年前にはソーセージ1Kgにつき22gの塩を使っていたところを、今では18gで、さらに減少する傾向らしい。心配になる味については、そんなに変わりはないという。
さて、何を食べるか…!?
このLa Ville du Bien-Manger(たらふく食べる街)というニックネームを持つ街リヨンで、問題になるのは「さて、何を食べるか?」である。残念ながらメニューをみただけでは、どんなものが出て来るかなかなか想像しにくいものが多い。一番良いのはサービスの人に説明してもらうことだが、ここで代表的なリヨン料理を最低限の知識として紹介したい。
前菜でよく見られるのが、クラッシックなところでサラダリヨネ。これは、ベーコン、卵、クルトン等と青菜類のサラダである。cervelle
de canutsは、フロマージュブランとニンニク、オリーブオイル、クリーム、シブレット、パセリを混ぜた口当たりのさっぱりした(本当はカロリー高なのだが)一品だ。しかしこの一品名(訳すと「カニュー(リヨンの絹職人)の脳みそ」!)にはビックリさせられる。
メインは様々だが、私のお薦めはクネル。これは魚のすり身がベースなので、日本人の口には合いやすい。トマトソースとの相性が抜群だが、一番典型的でかつ有名なのは、Nantua(ローヌアルプ地方の湖)風のザリガニソースを使った川鱒のクネルである。クネルは、卵やクリーム、バターをふんだんに使った一品で、見かけによらずとてもカロリーが高いので食べ過ぎに注意!個人的にはandouillette(豚の腸づめ)がすき。匂いが少々気になるが、白ワインが良く染み込み味がしっかりしていて、マスタードソースとの相性が何ともいえない。ブレスの鶏を使ったPoulet
au vinaigre, Boudin a la lyonnaise(リヨン風鶏肉とブーダン ブーダンとは豚の血と脂身の腸詰、チョット癖があるかも)
, Gratiee lyonnaise(グラタンリヨン風)、Coq au vin (雄鶏を赤ワインでたっぷり煮込んだもの)もおいしい。やはり傾向として豚肉製品が多いのが特徴ではないだろうか。
リヨン地方ではあまりチーズを生産しないが、その分Savoie、Haute-Savoie、Auvergne、Ardecheなどの近郊地方より豊富に仕入れており、消費量は他の地方に少しも劣らない。リヨン特産のフロマージは、St
Felicien とSt Marcellin。二つともクリ−ミーでやわらかく、比較的食べやすい。
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