ワインといえばボルドーが有名ですが、ボルドー産の甘口白ワイン「ソーテルヌSauterne」にも負けない素晴らしいワインがベアヌル地方にもあります。それが「ジュランソンJurancon」。ポー城の前を流れるポー川からオロロン川に挟まれた25の市町村にて、この地区独特の大小の両マンセン種(
le gros manseng, le petit manseng)とクールビュ種(le courbu)から、気品の漂う香り豊かなA.O.C.の白ワインが作られています。
ジュランソンの甘口ワインは果汁を自然に乾燥させて濃縮した実から作られます。乾燥させずによく熟したものを収穫すれば、爽やかな味わいの辛口ワインになりますが、収穫時期を遅らせることにより、時には雪が降る季節、葡萄は凍結し、水分だけが凍り乾いたようになります。このため氷点下が水分より低い糖分だけが残り、圧搾の際には甘い部分だけがしたたり落ち、あの蜂蜜のような甘さとコクを持つ極上な琥珀色の甘口ワインとなるのです。辛口ワインは白ワイン全体の70%を占めており、その数字からも甘口ワインの収穫量が少ないことがうかがえるでしょう。
このワインはアンリ4世の洗礼に使われたことにより一気にその名を広めました。1553年12月、祖父にあたるナヴァールの王のブルボン公爵の手により、生まれた赤ん坊(のちのアンリ4世)の唇にひとかけらのにんにくがこすりつけられた後、ジュランソンワインのにおいを嗅がせた後、唇に湿らせ洗礼を施こしたのです。
またジュランソンは“クリュ”の概念が最初に生まれた場所ということで、ワインの歴史の中で重要な意味を持つ土地でもあります。14世紀にはいり、ベアヌルの君主とナヴァールの議会が、農地の価値に従い、どこの産地よりも先駆けてフランスで最初の格付けを行いました。これがクリュの概念の始まりです。ジェロンソンワインの真価を守るための、最初の保護制度でもあったのです。
ポーに来た際には一度はこのワインを味わってみて下さい。同じくベアルヌ地方名産のフォアグラと共に頂くジュランソンは格別ですよ。
注:A.O.C. : アペラシオン・ドリジーヌ・コントローレ(appellation d'origine controlee)の略で、原産地統制名称のこと。
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